前奏曲

前奏曲★何時か見る夢

「ニンゲン! よくやったな!」「お竜さん」白い竜の乙女がぎゅうぎゅうと立香を抱きしめる。様々な過去の遺恨を乗り越えて、無事にこの特異点を解決出来た。これもまた一つの歴史。その終わりに見た志士の覚悟と運命への抗いを決して忘れることは無いだろう…

前奏曲★妖精王の稲作

「さあ行け、お前たち!」わーっと虫たちがオベロンの指示に従って、緑鮮やかな田んぼに駆けて行く。満足げにその様を見ながら、オベロンは腕を組んで水田を睥睨した。(おのれ、害虫ども)よくもまあ、この俺が汗水垂らした稲を貪り食ってくれたものだ。虫の…

前奏曲★消えゆく火に

太陽が沈み、昼間の暑さが嘘のように涼やかな風が海から流れてくる。ざあん、ざああんと揺れる波間の向こうの夜を眺めながら、オベロンは即席の椅子の上で蓄積した疲労を回復していた。「あー・・・、だっる」ヤドカリにチキンに、果ては鮫もどきと来たもんだ…

前奏曲★星の海できみとふたり

ピアノとヴァイオリンと、三拍子と七拍子。煌びやかな音楽がフロアに鳴り響いている。おとぎの国の特異点を無事にクリアした後、シンデレラ姫の立っての願いで、一夜限りの舞踏会がこの城で開かれている。いくらかのサーヴァント達もカルデアからこちらに来て…