原作軸

透明にさせて

「はぁっ」ちゅっ、くちゅっ、と異音を響かせながら、立香はオベロンと口づけを交わしている。白む頭の片隅で立香は、止めなきゃと彼の肩を押す。「んっ、もう?」舌が痺れて使い物になれないので、こくこくと立香は必死に首を縦に振る。そろそろ朝のブリーフ…

奈落の底に降る雨

外側はカリッと、中は白くふわふわ。バターをひと掬いして、表面に押し付ければ、とろりと溶けた。辺りにコクのある薫りが立ち込める。つうっと指先に温かい液体を感じて、慌てて立香はたっぷりバターを付けたパンに噛り付いた。むしゃり。程よく弾力のあるそ…

オベロンはよく空を見上げる。――明るい蒼い空ではなく、漆黒の夜空とそこに浮かぶ星を眺めている。ストームボーダーでは空は見えない。だから、レイシフトした先、野営の時などは必ずと言って良いほど、空を静かに見上げている姿を見かけるのだ。今日も魔獣…

実装一周年記念(2022年夏イベント)

「さあさあ、マスターは早く寝な。明日も大変だからな」その鍛え抜かれた肉体を惜しげも無くさらしながら、燕青は疲労の色浮かぶ立香の背を押して、船底の宿泊ルームへと誘う。なんだかこのまま寝るには惜しい気がして、立香が押された背中越しに後ろを振りか…

They’re both to blame(どっちもどっちだね)

さわさわと木葉が擦れる音で藤丸立香の意識は目覚める。前にも後ろにも木、木、木。彼女は、ひとり森の中に立っていた。夕暮れの色。黄色。橙。茶色。優しい、――秋の色。彼女の視界いっぱいに広がるその色彩に、ここが何処であるのかを察する。戦いの果て、…

夏のお題三連

わいわいがやがや。――食堂から廊下まで、カルデア中が騒がしい。アゲハ蝶の如き翅を閃かせて、オベロンは舌打ちする内心をひた隠し、速やかに人々の群れを通り過ぎていく。うっかり翅があたりそうで、第二臨の姿になれば良かったと後悔した。廊下の反対側か…

さんぴについて考えた結果

Mistakes are the portals of discovery. ――失敗は発見への入り口である。とは偉人の言葉であるが、これ・・はただ単純にこの女がどうしようもないほどに馬鹿なんだろうと、オベロンは目の前にいる二人の少女・・・…

君を嫌いになる7つのメソッド

人理の為に、東奔西走。走れども走れども先は見えない我が道かな。本日もお疲れ様でした!というマシュの元気な送り言葉を背に、立香はマイルームに帰還した。駆動音の後、部屋を見渡せば、ライトが付いている。はて?出掛けしなには消したはずと首を傾げれば…