【ゆるっと牧場生活】Cada mochuelo a su olivo(夏の月)
ここ最近、日差しが強くなってきた。太陽がギラリと凶悪な光を発するようになり、その光に晒された人々の肌がクリームからチョコレートに、人によってはブラックコーヒーのような色に染まるようになった。 さんさんと太陽の光が注ぐ夏の一日。世の女性が紫…
文章 短編パロディ
【ゆるっと牧場生活】Cada mochuelo a su olivo(春の月)
背の高い木々の間、平原とも森とも言えぬ砂利道を一台のバイクが走っていく。その可愛らしい車体とは裏腹に、ブロロロロロ!という重低音。じゃりじゃりと砂を踏みしめるタイヤからは砂埃が上がっている。太陽が空高く昇り、畦道にはバイクの機体と2つの人影…
文章 短編パロディ
ふゆねさんお誕生日お祝い(桃娘パロ小説)
ふゆねさん、お誕生日おめでとうございます!🍾🎉🎂以前頂いたイラストへのお返しになっていれば幸いです💦誠に勝手ながら、先日アップされていた『桃娘』の設定を借用させて頂いております。(雷を打たれたように新たな癖を得ました…)問題などありましたら…
文章R-18,パロディ
三題噺(ライトレ)「鳥籠、偽物、愛の言葉」
雌のカナリアは歌わない。通常、美しく囀るのは雄の方だと言われている。寒い季節になると、カナリアの雄は温もりを求めて一層愛の歌を奏でるのだ。笛の音のような高く美しい声で。「あっ、あっ、あっ」ばさりとオレンジの羽が広がり、小刻みに震えている。そ…
文章 短編R-18,パロディ
Will you marry me?
どうして!?と泣き叫ぶ女に、男はさも当然のように言った。飽きた――と。「うわぁ……最低ですね」たまたまマンションの前でかち合った女性(その時もひと悶着あった)をここ数週間姿を見ないなと思い、聞いたところ、「ああ、飽きたから別れた」と告げられ…
文章 短編パロディ,現代
君は運命の人
月光のような柔らかなシルバーに湖面のような瞳。整った容姿は道行く人の視線を一身に浴びていた。やがて、人の視線が煩わしくなったのか、青年は休憩を辞めて歩き出そうとした。「オベロン!」、と彼の名前が呼ばれる。振り返って、見知らぬ少女に、彼は苦々…
文章 短編パロディ,現代
No Colors
「では、これより新たな議会を始めます。開始にあたり、議長よりご挨拶です」「おほん。新たに議長となりました、アルジュナです。今日この日より我々は新しい政治体制の元、この国と人々を導き、共に歩むことを――」「良かったのか?」とハクノが野を行くギ…
Colors 文章パロディ
白の章
「あの王を討つ」馬鹿な!と声を上げた白の一族だったが、アルジュナの睥睨に言葉を詰まらせた。白の代表とも言える老人が倒れ伏した為か、彼らに普段の勢いは無い。アルジュナはこの議案の場で、どうやってあの王を討つかを話し合おうとしていた。ところが、…
Colors 文章パロディ
金の章
回廊の出来事から数日。二人の噂は益々、人々の話題に上がるようになっていた。「聞いたか? あの王が、お認めになったとか」「何でも、緋色の娘を大層可愛がって居られてな、養子にでもするんじゃないかという話も聞いたぞ」「おいおい。それじゃあ、いよい…
Colors 文章パロディ
橙の章
「お兄ちゃん!」溌剌とした少女の声に、ロマニ――緋の一族の当主である彼は苦笑を零した。「あ・に・う・え、でしょ」「いいじゃん、家の中なんだから」「僕もうるさく言いたくないんだけどさ。立香はうっかりしてるから、家の外でも呼びそうになるだろう?…
Colors 文章パロディ
黒の章
『貴方の色、好き。だって、夜の空の色だもん』『……僕も好きだよ。まるでお日様みたいだ』幼い頃の夢を見ている。まだ残酷な現実を知らなかった頃の――。「ねぇ、ティ。ティったら! ……もう! ヴォーティガーン!」地面に寝転んで一向に返事をしない青…
Colors 文章パロディ
リメンバー・ミー 秘密のお伽噺
がらり――、更衣室代わりの教室のドアを開ける音が夕暮れの廊下に響いた。「はぁー、酷い目にあった」オベロンは頭の上のカチューシャを毟り取った。次に履き慣れないヒールを蹴り飛ばすように教室の隅に放り投げる。脱いだ足先はヒールの縁が食い込んだ後が…
りつか1/2 文章パロディ