後奏曲★卵ころころ?
オベロンには人に言えない願いがあった。――え? 妖精国? そんなものは、もうとっくの昔だ。昔々あるところに、なんて前置きがつくぐらいの気持ちだ。(実際はそんなに前じゃないけどね)所謂、『あの時は若かったな~』ってやつだ。そう。これは今の・・…
アイの唄 後奏曲 文章R-18,原作軸
妖精王とひばりの結婚行進曲(サンプル:5p~21p)
「わぁ!」 裾に広がるフリルは大胆に波打ち、繊細な花のレースがその千重波を縁取る。艶やかに浮き上がった刺繍を彩るのは、桃色に染まったパールの輝き。「どうだい? ボクの新作のドレスは」 ほう、と少女は感嘆の吐息を漏らす。白い頬はほんのりと桜色…
アイの唄 文章 行進曲原作軸
間奏★Mirror Mirror 君の言葉を聞かせて
「やられた」暗い廊下に立香の悔し気な声が落ち、オベロンからは舌打ちが響く。オベロンと立香は、古城の廊下で孤立していた。発見した特異点にレイシフトし、現地調査を行った。いつものルーティンだが捜査は足で稼ぐもの。村々の情報より、この古城に原因が…
アイの唄 文章 間奏R-18,原作軸
間奏★魅惑のジョーゼット
ふっとオベロンは意識を浮上させる。本来サーヴァントに眠りは不要であるが、自分を打ち滅ぼした汎人類史に図らずも召喚されて以降、かつてのやる気がすっかり消えうせて、有事の際以降は惰眠を貪る癖がついてしまった。重たい頭を緩く振って、ぼうっと周囲を…
アイの唄 文章 間奏R-18,原作軸
前奏曲★何時か見る夢
「ニンゲン! よくやったな!」「お竜さん」白い竜の乙女がぎゅうぎゅうと立香を抱きしめる。様々な過去の遺恨を乗り越えて、無事にこの特異点を解決出来た。これもまた一つの歴史。その終わりに見た志士の覚悟と運命への抗いを決して忘れることは無いだろう…
アイの唄 前奏曲 文章原作軸
前奏曲★妖精王の稲作
「さあ行け、お前たち!」わーっと虫たちがオベロンの指示に従って、緑鮮やかな田んぼに駆けて行く。満足げにその様を見ながら、オベロンは腕を組んで水田を睥睨した。(おのれ、害虫ども)よくもまあ、この俺が汗水垂らした稲を貪り食ってくれたものだ。虫の…
アイの唄 前奏曲 文章原作軸
前奏曲★消えゆく火に
太陽が沈み、昼間の暑さが嘘のように涼やかな風が海から流れてくる。ざあん、ざああんと揺れる波間の向こうの夜を眺めながら、オベロンは即席の椅子の上で蓄積した疲労を回復していた。「あー・・・、だっる」ヤドカリにチキンに、果ては鮫もどきと来たもんだ…
アイの唄 前奏曲 文章原作軸
前奏曲★星の海できみとふたり
ピアノとヴァイオリンと、三拍子と七拍子。煌びやかな音楽がフロアに鳴り響いている。おとぎの国の特異点を無事にクリアした後、シンデレラ姫の立っての願いで、一夜限りの舞踏会がこの城で開かれている。いくらかのサーヴァント達もカルデアからこちらに来て…
アイの唄 前奏曲 文章原作軸
後奏曲★レポート№1:魔術師連続失踪事件
かつりかつりと靴音を響かせて、シルバーの髪の青年―オベロンはくすんだ色の煉瓦で彩られた街並みを歩いていた。ストークオントレント――。イギリスのほぼ中央、やや西部に位置し、ロンドンからも数時間とほど近い。ウェッジウッド、ミントンなど名だたるブ…
アイの唄 後奏曲 文章R-18,原作軸
後奏曲★レポート№6:ブリテンにて、策士策に溺れる
穏やかな昼下がり。うららかな陽気に包まれて、アルフォンスはとても、大変、とんでもなく、エトセトラ、そう――困惑していた。「わっ、この紅茶とても美味しいです!」「……インドに直契約をしている農場がございます。そちらから、ファーストフラッシュが…
アイの唄 後奏曲 文章原作軸
後奏曲★レポート№5:嵐山、黄泉路を行く
世間は常かくのみとかつ知れど痛き情は忍びかねつも(世の中は常にこうだと知ってはいるが、つらい心を堪えがたいものだ)~万葉集 巻三(四七二)より 詠み人 大伴宿禰家持医師から告げられた言葉をマシュの心は拒否した。「どうしてですか?なんでですか…
アイの唄 後奏曲 文章原作軸
後奏曲★レポート№X:(Missing Number)
■藤丸立香の秘密についてアルフォンス・ファーガス・ゴールディングはどうやって彼女の情報を知りえたのか?そもそも、あれほどカルデア陣営が苦心して隠していた彼女の情報が一介の魔術師である彼になぜ漏れたのか?Q)査察団の報告によって? A)いい…
アイの唄 後奏曲 文章原作軸