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さんぴについて考えた結果

Mistakes are the portals of discovery. ――失敗は発見への入り口である。とは偉人の言葉であるが、これ・・はただ単純にこの女がどうしようもないほどに馬鹿なんだろうと、オベロンは目の前にいる二人の少女・・・…

君を嫌いになる7つのメソッド

人理の為に、東奔西走。走れども走れども先は見えない我が道かな。本日もお疲れ様でした!というマシュの元気な送り言葉を背に、立香はマイルームに帰還した。駆動音の後、部屋を見渡せば、ライトが付いている。はて?出掛けしなには消したはずと首を傾げれば…

No Colors

「では、これより新たな議会を始めます。開始にあたり、議長よりご挨拶です」「おほん。新たに議長となりました、アルジュナです。今日この日より我々は新しい政治体制の元、この国と人々を導き、共に歩むことを――」「良かったのか?」とハクノが野を行くギ…

白の章

「あの王を討つ」馬鹿な!と声を上げた白の一族だったが、アルジュナの睥睨に言葉を詰まらせた。白の代表とも言える老人が倒れ伏した為か、彼らに普段の勢いは無い。アルジュナはこの議案の場で、どうやってあの王を討つかを話し合おうとしていた。ところが、…

金の章

回廊の出来事から数日。二人の噂は益々、人々の話題に上がるようになっていた。「聞いたか? あの王が、お認めになったとか」「何でも、緋色の娘を大層可愛がって居られてな、養子にでもするんじゃないかという話も聞いたぞ」「おいおい。それじゃあ、いよい…

橙の章

「お兄ちゃん!」溌剌とした少女の声に、ロマニ――緋の一族の当主である彼は苦笑を零した。「あ・に・う・え、でしょ」「いいじゃん、家の中なんだから」「僕もうるさく言いたくないんだけどさ。立香はうっかりしてるから、家の外でも呼びそうになるだろう?…

黒の章

『貴方の色、好き。だって、夜の空の色だもん』『……僕も好きだよ。まるでお日様みたいだ』幼い頃の夢を見ている。まだ残酷な現実を知らなかった頃の――。「ねぇ、ティ。ティったら! ……もう! ヴォーティガーン!」地面に寝転んで一向に返事をしない青…

リメンバー・ミー 秘密のお伽噺

がらり――、更衣室代わりの教室のドアを開ける音が夕暮れの廊下に響いた。「はぁー、酷い目にあった」オベロンは頭の上のカチューシャを毟り取った。次に履き慣れないヒールを蹴り飛ばすように教室の隅に放り投げる。脱いだ足先はヒールの縁が食い込んだ後が…

レッツゴー! ぼくらはいつも優等生

「オ、オベロン君……。あの、もし、迷惑じゃなかったら。勉強教えてほしいなって」両手を後ろ手にしてクラスで一番大きな胸を強調しながら、栗毛の少女が黒髪の少年に恥ずかしそうに微笑んだ。その直ぐ後ろでは、他数人の女子が動向を伺っている。期待と羨望…